2018年4月3日火曜日

Paul, Apostle of Christ

Good Fridayの今日、『Paul, Apostle of Christ』を観てきました。パウロが主人公の新作映画です。

パウロの生涯を、聖書に即して映画化したものを想像していたのですが、全く違いました。物語の背景は、皇帝ネロがクリスチャンを迫害しているローマ、パウロは捕えられて牢獄におり、死刑判決を受けています。映画は、死を待つパウロの最後の数日間が舞台です。

迫害を逃れたキリスト教徒たちは、ゲットーのような隠れた共同体に住んでいます。彼らに乞われたルカが、牢獄に潜入して、パウロの最後の告白を書き取っています。これが使徒行伝となります。

これまでの生涯をルカに向かって証しする中、パウロは、かつてイエスの信者たちに自分が行った迫害の記憶に苦しめられます。圧政に耐えかねて武器を取ったゲットーの信者たちに、このパウロはイエスの愛をもって応えるよう諭します。


牢獄の監督であるマウリチウスは、重病で死の床にある一人娘を目の前にしながら、偶像の神を拝むしかできません。キリスト教徒には、憎悪と侮蔑の感情しか持たなかった監督も、パウロの死を恐れない態度に惹きつけられていきます。


このように聖書の忠実な映画化ではなく、聖書を下敷きにしながら、多くの想像を交えて創作された物語です。とは言え、『ノア』のようなゴミ映画ではなく、パウロやルカの生きた姿を、聖書をもとに肉付けして再現したドラマだと思いました。

パウロ書簡の言葉が、登場人物の会話の中に挟まれるのも良い感じでした。日本で公開されたら、ぜひ、観て欲しいと思います。

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