「まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます。」(ルカ23:43)
ひとりの青年が埋葬に立ち会いました。いま葬られる人の死に際しては、彼はさほど心を動かされませんでした。それで彼は墓のそばに無表情に突っ立っていました。けれども、いよいよ棺の上に土がかぶせられる音を聞くと、突然ある思いが脳裏をかすめたのです。――「ああ、天国に行けるかなあ!」
なんと子供じみたことを、と思いました。が、それはなかなか忘れられず、やがて「これが一番大切なことなのだ」と思うに至ります。
我々は天国に行けるでしょうか?
主の傍らで十字架につけられた、あの犯罪人のことは、我々にとっても重大であるにちがいありません。なぜなら、ここには、主イエスから天国行きの保証をもらった人がいるからです。
我々はこの犯罪人から学ぶ必要があります。
このゴールまでには、四歩の距離があるのです。それは、この盗賊がイエスをののしる相棒に向かって言ったことばを指しています。
第一歩は、――「お前は神をも恐れないのか」です。すなわち、神をまじめに考え、恐れることです。
第二歩は、罪の告自です。――「われわれは、自分のしたことの報いを受けている。」彼は他人をではなく、自分を告訴します。
第三歩は、神のさばきを認めることです。――「報いを受けているのだからあたりまえだ。」いつかは必ず、(それが今であろうと、死んだのちであろうと)我々は神のさばきを認めねばなりません。
第四歩は、イエスに対する信仰です。――「この方は、悪いことは何もしなかったのだ。主よ。私を思い出してください。」この時、天国の扉は彼に開かれました。
十字架に釘付けにされながらも、この男が歩んだ一歩一歩は、実に力強いものでした。その歩みは、彼を減びから御国へと向かわせたのです。
主よ!我らをも御国に移してください。アーメン
ヴィルムヘルム・ブッシュ、『365日の主』、いのちのことば社、岸本紘訳
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