A・W・トウザー著
柳生直行訳、1958年、いのちのことば社
The Pursuit of God, A. W. Tozer
第二章―何も持たない幸福
こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。――マタイ五・三
主なる神は地上に人間を造られる前に、まずその準備として、人間の生存と歓びのために役立ち、また人間を楽しませる様々なものに満ちた世界を創造された。創世記の天地創造の物語では、それらのものはただ単に「物」と呼ばれている。それらのものは人間が使うために造られたのであるが、それらは常に人間の外にあり、人間に奉仕すべきものであった。人間の心の深いところには一つの宮があって、そこには神以外の何者も住む資格はなかった。人間の内には神がおられ、外には、神が人間に雨のように注がれた無数の贈物があった。