2019年12月1日日曜日

スポルジョン、『もろびとこぞりて』、第一日

もろびとこぞりて―
降臨節に向けた25章
チャールズ・H・スポルジョン

Joy To The World
Daily Readings For Advent

第一日:恵みの第一幕

『わたしは、おまえと女との間に、また、おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとにかみつく。』(創世記3:15)

これは、地上で最初に行われた福音説教と言えます。エホバご自身が説教者となり、全人類と暗闇の君を聴衆として迎えた記念すべき語りかけでした。私たちにとっても、もっとも心を傾けて聴く価値があります。この偉大な福音の約束が、そむきの罪が行われたすぐ後、これほど早く行われたことに注目すべきではないでしょうか?まだ、二人の反逆者のどちらにも判決は下されていないのに、この約束は蛇に対する判決というかたちで与えられているのです。

このときは、まだ、女が痛みに耐えること、男が苦しんで働くことを強いられておらず、土地でさえ、いばらとあざみという呪いを受けてはいなかったのです。『あなたはちりだから、ちりに帰らなければならない(創世記3:19)』と言うよりも前に、主は喜んで、女の子孫が蛇の頭を踏み砕くと言われたのです。ですから私たちは、罪の闇夜が訪れたとき、すぐさま、慰めの言葉を私たちに投げかけてくださった、神の哀れみのすばやさに感謝しましょう。

私たちの最初の両親が、それから何を理解したかは分かりませんが、このことばから大きな慰めを受けたことは、確かででしょう。主が『子孫』について語ったことから、自分たちがその時、その場所で、滅ぼされるのではないと、彼らは理解したはずです。エバから子孫が生じるのですから、彼女は生き続けなければならないことになります。彼らはまた、その子孫が蛇に打ち勝って、頭を踏み砕くとしたら、それは、彼らにとっても良い予言であることも理解しました。彼らを破滅させようと試みた者に対して、自分たちの子孫が勝利をおさめるのですから、彼らの上にも、偉大で神秘的な助けが与えられていることに気付いたはずです。この女の子孫であり、栄光に満ちたただ一人のお方が――その他大勢の子孫のことではなく、ただ一人の子孫のことです――どれだけ、悪魔とそのすべての策略を憎まれたか、誰もが知っています。キリストとサタンのあいだに敵対関係があるのは、キリストがサタンの働きを砕き、サタンに捕らわれている者を解放するために来られたからです。この目的のためにキリストは生まれ、この目的のためにキリストは生き、この目的のためにキリストは死にました。この目的のために、主は栄光に入られ、そして、この目的のために、主はまた来られます――主があらゆる場所で、敵を見つけ出して徹底的に滅ぼし、その働きが人の子らのあいだで行われるためです。蛇と女、この二つの子孫のあいだに敵意をを置くことは、哀れみの計画の始まりであり、恵みという演目の第一幕だったのです。

出典:Christ the Conqueror of Satan - Sermon delivered November 26th 1876 

0 件のコメント: