2019年12月7日土曜日

スポルジョン、『もろびとこぞりて』、第七日

もろびとこぞりて
―降臨節に向けた25章
チャールズ・H・スポルジョン

Joy To The World
Daily Readings For Advent

第七日:飼葉おけに寝かせた

男子の初子を産んだ。それで、布にくるんで、飼葉おけに寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである。(ルカ2:7)

飼葉おけと十字架は、救い主の地上での生涯の両端に置かれていながら、お互いと組み合わされて、調和しているように見えます。主は、その生涯を通じて、農夫の衣を身にまとい、漁師たちと共に過ごし、卑しい者たちを弟子に迎え、寒々しい山を寝床とすることも多く、そして、こうに言われました、『狐には穴があり、空の鳥には巣があるが、人の子には枕する所もありません(ルカ9:58)。』

それゆえ、これから地上で屈辱を受けることになるこの時期、ご自身の栄光を捨て去り、しもべのかたちを取って、もっとも卑しい身分にまでへりくだろうとしているこのとき、主が寝かせられている飼葉おけは、実にふさわしいところだったのです。

ベツレヘムに生まれたこの民の王も、幼い日々には、貧しい家庭が味わう困難から逃れられませんでした。いえ、むしろ、彼の境遇は、他の家よりもひどかったと言えます。飼葉おけでの誕生について、羊飼いたちはこんなふうに言ったのではないかと思います、『ああ!』一人が仲間の羊飼いに言います、『これでは、この子は暴君ヘロデのようにはなれないな。彼は、この飼葉おけをずっと覚えていて、貧しい者たちに心を寄せるだろう。貧しく哀れな幼子よ、私はこの子が愛おしい。この冷たい世界は、救い主を、何とみじめな寝床に横たわらせたことだろう。今日、生まれたのは、シーザーではなくて、軍隊を行進させて田畑を踏み荒らすことも、家臣たちのために私たちの仲間を虐殺することもない。彼は貧しいものの友、民の君主となるのだ。羊飼いの王の言葉によると、彼は民の乏しさを裁き、貧しいものの子供たちを救うものだ。』確かに、この羊飼いたちやその仲間――地上の貧しい者たち――は、その場ですぐに、庶民の王がいることに気付きました。その方は、高貴な方の血筋でありながら、主に、『民の中から選ばれた者(詩篇89:19)』と呼ばれた方です。

偉大な平和の君よ!あの飼葉おけはあなたの高貴な揺りかごだったのです!あの飼い葉おけであなたは、全ての諸国民に対して、私たちの君として表されたのであり、あなたが臨在されるところでは、未開人、スクテヤ人、奴隷と自由人の区別もなく、あなたはすべての者たちの主です。世の王たちよ、もしこの栄光の主を知っていたら、あなた方の金銀も惜しみなく与えていたでしょう。主の下にないものは、主の下にあるものの価値を失わせます。そして、この世で侮られながらも、神が選ばれたものは、主の支配の下で、おごり高ぶった人間の力と誇りと威厳を粉々に砕くことになります。

出典:No room for Christ in the inn - Sermon delivered December 21st 1862

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