2019年12月4日水曜日

スポルジョン、『もろびとこぞりて』、第四日

もろびとこぞりて
―降臨節に向けた25章
チャールズ・H・スポルジョン

Joy To The World
Daily Readings For Advent

第四日:王として生まれる

ベツレヘム・エフラテよ。あなたはユダの氏族の中で最も小さいものだが、あなたのうちから、わたしのために、イスラエルの支配者になる者が出る。その出ることは、昔から、永遠の昔からの定めである。(ミカ5:2)

ベツレヘムは、『ユダの氏族の中で最も小さい』と言われています。なぜでしょう?イエス・キリストがいつも、小さい者たちのあいだを進まれるからです。主は、『ユダの氏族の中で』最も小さいところで生まれました。バシャンの高い丘でも、ヘブロンの王の山でもなく、エルサレムの宮殿でもなく、つつましくも輝かしいベツレヘムの村でした。あなた方の中に小さなものがいます――『ユダの氏族の中で最も小さいもの。』誰も、あなたの名前をきいたものはいません。あなたが埋められて、墓石に名を刻まれても、誰も気にとめません。通り過ぎる人は言うでしょう、『私には関わりがない。この人のことは知らなかった。』あなたは、自分のことをよく知らないし、自分のことは多くは思いません。あなたは人々から蔑まれ、あるいは、人に蔑まれなくても、自分を低くする方です。あなたは、小さな者たちの一人なのです。さて、キリストはベツレヘムで、小さな者たちの中に生まれます。自分を高くする心は、キリストの中にはありません。キリストは高ぶるものの中ではなく、小さな者たちの中にいます。強く高ぶった霊は、イエス・キリストを受けることはできません。主は、低い扉から入られ、高い扉からは入らないからです。砕かれた心とへりくだった霊を持つ者だけが、救い主を受けることができます。

非常に奇妙なことがあります――イエス・キリストは、『ユダヤ人の王として生まれた』と言われています。『王として生まれてきた』者は、ごく僅かです。王子として生まれる者はいても、王として生まれることは非常に稀です。歴史を見ても、赤子が王として生まれてきた人の例を私は知りません。プリンス・オブ・ウェールズは王子でしたが、おそらく、何年も待って、父が亡くなってから、周囲の人々が頭に王冠を載せて、彼を王様に仕立て上げたのであって、初めから王として生まれたのではありません。イエス様の他に、王として生まれた人は、私の記憶にありません。よく歌うこの歌詞でも、このことが強調されています。

『民を解放するために生まれた、
子として生まれたとき、すでに王であった』
(Come, thou long expected Jesus より)

地上に降りた瞬間から、主は王であったのです。

出典:The Incarnation and Birth of Christ - Sermon delivered 23rd December 1855 

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